胸郭主導型トレーニングとは

 

なぜ得意な動きや不得意な動きがあるのでしょう?

筋トレを頑張ってるのになぜスポーツにうまく反映されないのでしょう?

バストアップやヒップアップしないのはなぜでしょう?

うちの子供は野球で長距離打者になれるの?速い球を投げれるの?

こういった疑問を持たれている方は多いと思います。
ではいろんなポジションであなたの一番力の入る安定した状態を作ってみてください。
と聞かれると作ることができますか?

「このポジションでは作れるけど、このポジションは作りにくい」となるかもしれません。

これではあなたが本来持っている自由に使える力の使い方がわからないということになります。


体には胸郭という骨の組み合わさった籠のようなものがあります。
横隔膜の伸縮運動や呼吸筋・補助筋によって胸郭は動きます。

※胸郭は肋骨と胸骨の総称です。(赤で囲まれた部分)
ぜんぶわかる人体解剖図(成美堂出版)より抜粋

 

胸郭は大きく動きませんが、体の中で大きな範囲を占めています。
そして呼吸というものに大きくかかわってきます。

呼吸=力 となりますので胸郭は筋力発揮には重要な部分となります。

筋力発揮は骨盤や下半身ではなく、なぜ胸郭がポイントなのでしょうか?

車椅子の方のスポーツを考えてみてください。
テニスやバスケットボールなどではかなり激しく力強い動きをされてます。
どうしてそのようなことができるのでしょう。

横隔膜の収縮と胸腔内陰圧ということから人が力を発揮するには二つの形にわけられると考えてます。

胸式と腹式とタイプが分かれます。(胸式は動きによっては更に二つに分かれます)

胸式は欧米人(特に米系)に多く見られる上半身の筋骨隆々型
腹式はアジア系に多く見られる柔軟で力(特に上半身の)に頼らない型
と考えてもらうとわかりやすいかと思います。

胸郭の動きによって体の使い方が変わる例をあげてみます。
胸郭を少し斜め上方に引き上げるようにして胸を張った状態(胸式の立ち方)と、
少し斜め下に引き下げるようにして肩がストンと落ちたような状態(腹式の立ち方)から
その上半身の形でバランスを保ちながらしゃがみこむと
下半身の使われ方がまったく違ってきます。

胸式タイプの場合は踵を上げた状態でしゃがみ込むとバランスが取れ、
腹式タイプは踵をつけてしゃがみ込むとバランスが取りやすくなります。


〇タイプによるしゃがみこみ

胸式タイプの立ち方 踵を上げてしゃがみこむ
   
腹式タイプの立ち方 踵をつけてしゃがみこむ

 

〇筋力トレーニングのフォームではこうなります

胸式ベンチプレス 腹式ベンチプレス
   
  胸式懸垂   腹式懸垂

スポーツなどのパフォーマンスにおいても同じように考えられます。
自然と自分の形に合った力の発揮ができている人はパフォーマンスが高いのかもしれません。

胸郭主導として見ていくとスポーツの動作解析ができるようになります。

「下半身が使えていない」「もっと胸を張って」「腕を前後に振って」などはフォーム修正でよくある注意の言葉です。

この言葉が正しいと思い込んで指導するのは危険です。
その選手の特性を把握していないと失敗する可能性が高いです。

当施設でのトレーニングは胸郭主導型として指導しています。

下半身を使わないということではありません。より効率よく使える状態になります。 
拘らずに無意識にやられている方は指導しなくてもご自分にあった形になっています。

筋トレをしてきつく感じると発達しているように思われます。
しかしそれは、崩れたバランスを少数の筋肉が支えているだけであったり、
目的とされてない筋肉が使われていたり、
腱にストレスがかかりすぎている緊急事態かもしれません。

  ホームランバッターになりたい。
  速球ピッチャーになりたい。
  スポーツでうまく体を使えるようになりたい。
  バストアップ、ヒップアップしたい

いろいろなお悩みがあれば、一度チェックされてみてはいかがでしょう。
また発達させにくい筋肉群に対しても効果があります。