膝関節へのリハビリトレーニングにおけるポイント

膝関節症へのリハビリトレーニングにおけるポイントを2点あげてみます。
アスリートはもちろん普通に日常生活の復活を目指す方にも重要なところです。

リハビリトレーニング目的で当施設に来られる方で、最も多いのは膝の障害です。

程度はみなさん違いますが、手術を視野に入れている状態の方も少なくありません。

実際に経験されている方も多いとは思いますが、
よくあるのが、患側のトレーニングをした直後は筋肉がパンプアップし大きくなるけど、
次回来られた時にはまた筋肉が元に戻って細くなっている状態。

なぜこういう現象が起きるのか?

筋力トレーニングは膝を安定させた状態にしておこなうため筋肉に強い刺激を入れられます。
それよりも日常生活の方が立ったり座ったり、急に動いたり、冷えたりなど、
もっと膝への負担がかかるためほとんど患側の筋肉が使われていないと考えられます。

筋力トレーニングでもスクワット動作で膝を前に出さないよう曲げるフォームでは、
膝への負担は減りますが、股関節周りと大腿上部の筋肉への刺激が膝周辺より上回ります。
こういうシチュエーションが日常で果たしてどれほどあるのでしょうか?

日常生活動作でかかる膝への負担にフォーカスしてトレーニングを進めることが必要です。

ポイントは

① 膝周りの筋肉はどういうときに一番活動するか?
② 膝周りの筋肉の早い段階での強い収縮

どういうことか説明いたしますと、
①は膝関節に負担がかかるような動きでこそ膝周りの筋肉が大きく活動します。
そうしないと関節が故障してしまいます。
危険な状態になれば、靭帯や腱といった神経装置が感知して筋肉に指令を与えます。
日常生活を普通に過ごすのであればこの危険な状態での筋肉の反応が必要です。

②についてですが、トレーニングの時には時間をかけて徐々に筋肉に強い刺激を入れていきます。
それに伴い、筋肉の強い緊張を導き出していきます。
日常ではそういうわけにはいきません。
なるべく早く筋肉の強い収縮を得られるような訓練が必要です。

この2点に考慮して進めて行くことが復帰への近道になるのかと思います。

長い間膝のトレーニングを指導してきたことで、何がベストなのか絞れてきました。
胸郭主導型トレーニングでいえば胸式タイプのトレーニングが効果的なケースが多いです。